問題解決も他力本願が多数派。ですが…
例えばパワハラなどの問題がある場合に、それを解決する主体は会社にあるわけですが、職場の中でそれが問題であると考えていても、実際に解決を求めることは比較的少ないのではないでしょうか。早く上司が気が付いて、先輩の言動を注意してくれないか、とか、上司の暴言を店長が注意してくれればいいのに…などと、大抵のスタッフの心にそうした気持ちがあったとしても、実際に「何とかして欲しい」と求めるスタッフは少数派です。
なぜ、実際に解決を求めないのか。不愉快ではあるけれど、解決行動を起こすまでもない、聞き流していれば済む、といういわば現状容認派が大多数かと思われます。もちろんだから問題がないとは言えません。こうした声なき声に耳を傾けることが、円滑な業務運営には重要ではないでしょうか。しかし問題なのは、毎日の出勤にすら苦痛を感じるほどなのに、解決行動を起こす勇気がない、できれば誰かに解決行動を起こしてほしい、匿名で解決できないか、と考えているスタッフです。
なぜ解決行動を起こせないのか、それは相談できる人間関係が構築できていないことが原因ではないでしょうか。特に入社間もないスタッフにとっては、日々緊張の連続です。人間関係が円滑に進むよう、周囲のスタッフによる配慮も大切かと思います。管理職にとっては、そんな時間はない、と言いたいところかもしれませんが、朝礼などの場で、ほんの一言配慮ある言葉かけで、解決できる問題もあります。些細なことですが、そんな些細なことが大切ではないかと感じています。
ですが…
一方で、同じく解決行動を起こさないタイプでも、相談しても解決しない、本社に掛け合っても対応してくれそうにない、などと解決行動をしない理由を並べて不満をためてしまっているスタッフもいます。周りの同僚などにすら話をしません。話をしても、理解が得られないことが原因と思われます。こうした方からのご相談をいただくこともありますが、おそらくは、ご自分の意向に合う意見やアドバイス、結論が得られない場合には、相手の話の内容が一切耳に入ってこない、受け付けられない心の状態である可能性があります。労務管理上かなり厄介なケースですが、こうしたスタッフに対しては、まずは話を聞くことに徹することが大切かと思われます。そうした過程で、そのスタッフの狭い視野を見極め、本人の理解できる業務指示を与えることができれば、問題はいい方向に向かうと思われます。そうした方向に向かせることで、業務効率を向上させることができるのではないか、とも思えます。