会社の相談窓口は、なぜ機能しないのか?

従業員の不平、不満、本当に聞いてますか?

問題は何もないように見えても、それは問題が何も無いから表面化していないのではなく、問題かあっても、それにどう対応していいのかわからない、それが問題なのかどうかが分からない、そして、それを問題として相談したとしても、会社は取り入ってくれないのではないか、それどころか、逆に自分が会社からにらまれ、不利な立場に追い込まれるのではないか…だから誰も何も言わないのだとしたら…。

コミュニケーションが取れなくなったら赤信号

最近従業員と話をしていない、目を合わせても会釈する程度で、会話をするでもない、ニコリともしない、あるいは、業務の都合でそもそもスタッフと会う機会が極めて少ない、など。こうした状態が続けば、なおさらコミュニケーションが取れなくなってきます。

もし従業員が職場の問題解決の糸口を、別のところに求めるようになっているとしたら、その問題が公然化したときに、社内的な解決の余地が無くなっているかもしれません。コミュニケーション不足の問題は、従業員を大勢抱える会社だけの話ではないのです。

会社と従業員のコミュニケーションの橋渡し

トラブルには必ずその前兆があります。その前兆は様々な形で現れますが、コミュニケーションが取れなくなれば、その前兆を察知することが難しくなります。オフィスハラダの社外相談窓口は、コミュニケーションの不足のために把握することができないトラブルの前兆を、直接汲み上げるものです。

相談窓口の活性化のために…なぜ会社の相談窓口は機能しないのか?を考える

私が直接従業員の方から頂くご相談の中には、会社に相談窓口はあるが、何を相談すればいいのか、本当に相談していいのか分からない、など、相談窓口の形式だけは整っているのに実態が伴いわないものや、相談窓口に相談したら、相手方の上司などに筒抜けになった、など不信感を抱いたというものもあり、果たして何のための相談窓口なのか、首をかしげたくなるものがあります。

従業員は話を聞いてほしいのです!でも…

何でも遠慮なく言ってほしい、などと口にすることは多いのですが、従業員が話をしようと思っても、いつでもいるわけではないし、電話もかからない、それにいつも忙しそうだから、やっぱりいいや…となっていることが多いのです。

本人に筒抜けになるのでは…報復されるのでは…

また一方で、会社には相談窓口はあるが、それは総務や人事の担当者が兼任しているため、相談内容が筒抜けになるのではないか、トラブルの相手に知られたら報復されるのでは・・・などの不安から、既存の社内の相談窓口が機能していないことも多いのではないでしょうか。

相談窓口に与える役割は会社によって様々かと思います。問題の解決をすすめるためには事実関係の特定は不可欠でもあり、問題の相手方当事者からも事実関係の確認は当然行うべきものですから、「相手に知られずに…」問題解決をするなどということは、できないのですから、相談者に対しては、きちんとその旨の説明をしなければなりません。

ですが、「相談内容が問題の相手方当事者に知られることはありません」とか、「ここでの相談内容を相談者の承諾なく口外することは無い」などと表示しておきながら、相談者本人が知らないうちに、社内での公然の事実になっているような、いわばだまし討ちのような状況が問題なのです。

相談者からの相談内容は、コンプライアンス窓口から、逐一人事などの関係部署に報告されれるのであれば、その旨をはっきりと明示しておかなければならりません。もっともそれでは人事に相談窓口を設けていることと何も変わらない訳ですが、だまし討ちのようなアンフェアな状態よりは妥当とは言えると思います。

相談窓口に相談してもいいのか?

という従業員の方からの相談を受けることが稀ではありません。これはどういうことでしょうか。せっかく社内に相談窓口を設置しても、その相談窓口に相談する前に、ウェブサイトをたどってようやく行き着いた会社外部の私に「うちの会社の相談窓口に、本当に相談して大丈夫か?」と相談するという珍現象が起こっているのです。

会社内部の人事や総務などの部署が、こうした相談窓口の役割を担うことが通例ですが、こうした相談窓口に対しては、相談したことがすべて相手方に筒抜けになる、とたいていの従業員が考えています。また外部の専門家等が相談窓口となっている場合でも、あそこは会社の顧問だから会社の都合の良いように言いくるめられる、と考えているのです。これでは相談窓口が機能するわけがありません。

中には、相談窓口の責任者である人事や総務の課長、部長などの管理職からパワハラを受けているので、相談する相手がいない、というご相談をお受けすることもあります。これは決して笑い話でもなく、また珍しいご相談でもありません。御社の相談窓口がそうなっている可能性だってあるのです。

問題解決のフローを明確に

相談者が心配なのは、相談をした内容がどのような扱われるのか、という点です。この点については、相談窓口への相談から問題解決に至る手続きの流れを明確にすることで、相談者に安心感を与えることができます。相談内容が外部に漏れることはありません、とか、相談者が特定されることはありません、というだけでは不十分です。解決までのフローを具体的に示すことが重要です。そしてそのフローに従った解決プロセスを確実に踏むことが重要です。せっかく解決フローを示していても、そのフローにはないルートでの相談内容の通知や、あるいは知るはずない同僚などが知っていた、などの事実を相談者が知った場合、相談窓口の信頼回復は、極めて困難になってしまいます。

相談窓口で相談を受け付けてもらえない!?

このように、経営者がいくら話を聞きたいと思っても、話をしてもらえるような環境が整っていなければ、仕組みだけを作っても機能不全に陥ります。せっかく相談窓口を設けるのであれば、実際に相談をしてもらえるような、機能する仕組みを構築することが大切ではないでしょうか。

ところが、相談者が勇気を振り縛って相談したのに、「そうした問題は人事部へ直接お願いします」とか「事実関係が特定できないので、対応ができません」「匿名での相談は受け付けられません」などと門前払いをされてしまう、どうすればいいのか、また、相談窓口があるのは分かっているが、手続きが煩雑すぎて相談する気が無くなった、というご相談が私に届きます。

相談窓口の役割として、また与えられた機能によっては、対応できない相談内容も相当数に上ると思いますが、せっかく相談窓口に寄せられた問題を、受付すらせずに門前払いをしてしまっては、その段階でその問題が水面下に埋没してしまうことになります。そうした結果をあえて意図している場合は(その考え方の是非はともかく)別として、社内的な解決の余地が十分にあるような問題でも、相談窓口では対応しない、と相談者が考えれば、問題が外部化するリスクは避けられません。

相談者の大半が相談窓口に期待するのは「問題の解決」ですが…

相談窓口に相談して、問題が解決するのかどうか、相談者は疑心暗鬼なのです。それは相談窓口の機能が明確になっていないことが原因です。相談者は、相談窓口に問題を報告すれば、問題は解決すると思っています。相談窓口に相談すること自体が、相談者にとっては、とても勇気のいることなのだ、ということを理解しておくことが大切です。

そうした気持ちの相談者が、意を決して相談窓口に相談をしたときに、「ここでは話を聞くだけです。」などと返答されたときの落胆は如何ばかりでしょうか。もしここで話が終わってしまった場合には、せっかく把握できたはずの問題の前兆を、みすみす取り逃すことにもなってしまいます。

相談したけど解決しない、意外に多い理由とは

こんなに辛い思いをしているのに、会社は何もしてくれない、相談窓口に相談したけれど、「人事にこの問題を伝えますか」と聞かれただけで、その後全く音沙汰がない、状況は何も変わらない…こうした気持ちを抱く相談者は、相談窓口に不信感すら覚えます。

なぜこのようなことが起こるのか、それは相談窓口の担当者が怠慢だから、ではなく、相談者が問題として考えている事実を、相談窓口の担当者が理解できていない、あるいは事実関係は理解できていても、それが法的にどう問題なのかが理解できないために、解決の主体となる社内の人事などの特定の部署に、問題であることを伝えきれないことが原因です。あるいは、相談者が事実関係をうまく説明できていないということも往々にしてあることです。つまり、

問題の事実が特定できていないか、問題として理解できていないか、

そのいずれかではないでしょうか。事実の特定は、相談者と相談窓口の担当者の意思疎通の問題であり、一方、問題に対する理解は、相談窓口の担当者と解決主体となる特定の部署の担当者の意思疎通の問題です。後者の場合には、相談窓口の担当者が問題の重要性を理解しているのに、この問題の解決を持ち掛けた部署の担当者が問題の重要性を全く理解しない、というケースはかなり多いのではないでしょうか。

会社の認識と、相談者の認識は、全く正反対を向いている

問題の早期の収束、未然防止を旨とする労務管理を進めることが会社のスタンスです。一方、相談者は、問題があることを指摘して、その解決を求めますが、この両者が直接向き合った場合、非常に対照的な対応が現れます。会社側は、相談者の指摘する事実が問題とならないことを、就業規則などの諸規程や法令判例などを根拠に説明しようとします。ですが相談者にとって、事実が問題ではないなどという判断は、受け入れられないのです。確かに会社の判断は法的には正しいのかもしれません。しかし、相談者の置き所の無い気持ちを収束させることには、完全に失敗しています。

問題に対する感受性の違いと言っても良いと思いますが、こうした場合、どうすれば問題として「感じて」もらえるのか、まで考えることが、相談窓口の役割ではないかと思います。認識のギャップをどう埋めるか、つまり

相談窓口の真価を問うのは、「話をどうつなぐか」

であると思います。相談窓口は、確かに話を聞くだけですが、「話を聞くだけです」とだけ言ってしまったのでは身も蓋もありません。一方で、相談窓口そのものに解決能力を持たせることは稀です。大切なことは、相談内容を吟味し、その問題の重要性を勘案して、解決能力のある社内の部署に話をつなぐことです。または、その糸口を相談者にアドバイスすることです。その際に大切なことは、相談者が話す問題の原因の核心はどこにあるのか、本当は何を言いたいのか、これを見極めることです。そして、問題の重要性を理解してもらえるような問題の説明ができるか、が問題解決に至るかどうかの大きなカギを握っている、と思います。

オフィスハラダの社外相談窓口は、そんな従業員と経営者・人事労務のご担当者の間に入って、コミュニケーションの橋渡しをします。

まずは、御社のご意向をお聞かせください。