1.トラブルの前兆をいち早く察知するために、相談のハードルを下げ、間口を広げることができるか

(1)相談窓口の周知徹底

社内掲示板等での告知は、一回告知して終わりではなく、定期的に継続して告知し、おかしいと感じたことは気軽に相談してほしい旨の案内を従業員向けサイトなどで常時表示する。

(2)メールの活用

相談媒体は、時間と場所を選ばない、いつでも相談できる利便性を持つ「メール」の活用は欠かせないと考えます。相談のハードルを大きく下げることができる、匿名での相談も極力可能とします。

(3)公正中立の確保

受付窓口は、中立性を担保するため、人事・総務のご担当者と、日常的に人事等の方針や具体的な措置、対応についてコンサルティングを行うなどの、直接的な関連が無い組織、担当とします。

(4)相談内容の漏えい及び不利益取扱の禁止

相談窓口の開設告知時には、連絡先だけではなく、相談者への不利益取扱の禁止や、相談内容の取扱いについても、厳格に規定しておくことが重要です。相談窓口利用規程などを整備されておくことが望まれます。

2.解決のカギを握る「相談者の真意」を読み取ることができるか

(1)問題として指摘された事実の把握

相談者の相談内容に対して真摯に向き合うことが大切です。特に相談者は、問題の事実関係をうまく説明することができないことが多々見受けられます。パワハラやセクハラといった抽象的な指摘に終始する場合には、そうした指摘にとらわれず、問題の事実関係のみを冷静に把握することが肝要です。

(2) 相談者の心のメッセージを読み取る

問題として指摘された事実関係を把握することで、相談者は何を求めているのか、何が問題であると考えているのかを読み取ります。 相談をトラブルの未然防止に生かすためには、相談時は、表面には表れてこない、相談者の心に隠されたメッセージを読み取ることにエネルギーを注ぐ必要があります。

3.問題の本質を見極めた解決行動のためのレールを敷くことができるか

相談者の真意が理解できれば、問題の解決の方向性は容易に見えてくるものですが、心情的に受け入れられない、ということもあると思います。

つい犯してしまいがちなことは、相談者に対して、つい会社の立場で回答してしまうことです。例えば、相談者の指摘する事実は問題ではないとして、就業規則や諸法令を根拠に、一刀両断にしてしまうことが往々にしてあります。それは正論かもしれませんが、相談者は自分の気持ちは会社に理解してもらえない、社内的な解決はできないと思ってしまいます。 問題の社内的な解決は、訴訟とは異なります。どちらが正しいのか、間違っているのか、ではなく、相談者の気持ちにどう折り合いをつけるのか、が解決の大きなカギではないかと考えます。

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